令和7酒造年度 全国新酒鑑評会 公開きき酒会2026レポート|2時間半・約400種類の無謀な戦い

2回目の参加で気づいた「攻略の極意」と「どうしても時間が足りない現実」


今年も行ってきました!!

令和7酒造年度全国新酒鑑評会 公開きき酒会。

管理人にとって2年ぶり2回目の参加です。前回は「とにかく全制覇!!」と無謀な作戦で臨んだのですが、今回も懲りずに全力で挑んできました🍶

率直に言います。攻略法なんてありません。時間が足りないから。

でも、それでも100点満点のイベントでした。その理由を、今回のレポートで全部語ります。


目次

公開きき酒会とは?

まず「公開きき酒会」とは何か、という話から。

毎年、全国の蔵元が出品したお酒の中から優秀なものを選ぶ「全国新酒鑑評会」という審査会があります。これは国税庁と酒類総合研究所が主催する、日本で最も権威のある日本酒の品評会です。

その鑑評会で審査・入選したお酒を、一般の人が実際に試飲できる——それが公開きき酒会です。

審査を通過した精鋭たちを、自分の舌で確かめられる。これがどれだけ贅沢なことか、日本酒好きならわかっていただけると思います😂

📍 2026年の開催概要

  • 日程:2026年6月20日(土)
  • 会場:東京・池袋サンシャインシティ 文化会館ビル4F 展示ホールB
  • 第一部 10:30〜13:00 / 第二部 15:00〜17:30(各部500名・完全入替制)
  • 料金:一般5,000円 / U-39チケット2,000円(39歳以下限定)

こんな人におすすめ

パンフレットの出展酒リストには、都道府県・酒蔵名・商標名・原料米の品種・純米酒かどうかの情報が載っています。

これを活用すれば、自分なりのテーマを持ってきき酒ができます。

  • 「山田錦だけで飲み比べたい」
  • 「純米酒だけに絞りたい」
  • 「気になっている地域を制覇したい」
  • 「好きな酒蔵の出品酒を確実に押さえたい」

逆に「全部飲みたい!!」という方には、少し攻略が難しいイベントかもしれません(理由は後述します😂)。テーマを絞るほど、きき酒会の満足度は上がります。


入場までの流れ

開場前から会場の外には長蛇の列。500名限定とはいえ、日本酒好きの密度は相当なものです。

この並んでいる時間が実は貴重!!

受付でチケットをリストバンドに交換するタイミングで、小冊子サイズのパンフレットがもらえます。中には以下が全部載っています。

  • きき酒の仕方・注意事項
  • 全体の会場図
  • 出品されたお酒の一覧(蔵元名・銘柄・都道府県付き)

並んでいる間にこれを熟読して、「どのブロックから回るか」「絶対に外せない銘柄」 を頭に入れておくのがベストです。「とりあえず入ってから考えよう」だと、貴重な時間をロスします。

リストバンドと身分証明書で年齢確認が済んだら入場。と同時に、きき酒用のお猪口・吐出カップ・ホルダーのセットが手渡されます。


入場した瞬間の衝撃

会場に入った瞬間の光景が、毎回管理人を驚かせます。

広い展示ホールの中、テーブルの上に酒瓶だけが整然と並んでいる。

食べ物なし。ただただ、日本酒。

「食べ物の持ち込み・会場内での食事は禁止」というアナウンスが流れる中、きき酒に集中するための空間が作られています。

きき酒会に慣れていない人が見たら、ちょっと異様な光景かもしれません。でも管理人にとってはこれが「始まり」の合図です🍶


きき酒のやり方

会場は地域ごとに11のブロックに分かれていて、各ブロックに20〜40本のお酒が並んでいます。

きき酒の方法はシンプルです。

  1. お酒の前に大きめのお猪口が置いてあり、そこに出品酒が注がれている
  2. 備え付けのスポイトで、自分のお猪口に少量移す
  3. 色・香り・味を確認する
  4. 吐出カップへ吐き出すか、飲み込むかはお好みで

壁際にはウォータークーラーが複数台設置されているので、随時やわらぎ水が取れます。ブロックとブロックの間でこまめに口をリセットするのが重要です。

ちなみに管理人は全量吐き出し派。それでも約300種類試しました。

なお、午後から日本酒フェアにも参加予定の方は、吐き出しスタイルを強くおすすめします。きき酒会だけで相当な量が口に入るので、フェアまで体力と判断力を残しておくためにも、吐き出し前提で臨む方が賢明です。


300酒類…でも400酒類には届かない現実

ここで冷静に数字と向き合いましょう。

  • 制限時間:2時間30分
  • 出品数:約400種類
  • 1種類あたり使える時間:約22秒

はい。無理です😂

22秒で「注いで・色を見て・香りをかいで・口に含んで・吐き出して・メモして・次へ移動する」なんて、どう考えても時間が足りません。

管理人が今回実感した教訓:

「全制覇より、事前に絞る方がずっと豊かなきき酒体験になる」

パンフレットを事前に読んで、自分が気になる蔵元・銘柄・地域に優先順位をつけておく。鑑評会のお酒は総じてクオリティが高い(欠点が少なく、無難な方向にまとまっているものが多い)ので、外れを引く心配はあまりありません。だからこそ「気になるものから確実に押さえる」戦略が正解だと思います。


管理人が気になった銘柄たち

ゆきの美人(秋田)

今回のきき酒会で一番刺さったのがこの銘柄。

「フルーティーなお酒」と言うとリンゴやマスカット、メロンのような香りを想像しますよね。でもゆきの美人のフルーティーさはそれとは全然違う次元にあります。

他のお酒と比べても、明らかに「別の何か」を感じる。うまく言語化できないのがもどかしくて、これはちゃんと購入してじっくり向き合いたいと思っています。近いうちにレビュー記事でお会いしましょう🍶

🔗 秋田のお酒については山本 6号酵母 純米吟醸のレビューでも秋田の個性を語っています。よければあわせてどうぞ。

仙禽(栃木)

口に含んだ瞬間に「あ、仙禽だ」とわかりました。

これがブランドの強さというものだと思います。きき酒会に並ぶお酒は「鑑評会向けに仕上げた、ザ・優等生」なものが多い中で、仙禽だけはハッキリとした個性を持っていました。ぶれないブランドの芯を感じます。

🔗 仙禽については仙禽 レトロのレビュー仙禽 オーガニックナチュラルWのレビューも書いていますのでぜひ。

十四代(山形)

言わずと知れた大人気銘柄。

開場直後に秒でなくなります。 開場と同時に山形県ブロックに長蛇の列ができていました。気になる方は入場したら最初に十四代のブースに直行することを強くおすすめします。管理人は別のブロックから回り始めたため、残念ながら今回はきき酒できませんでした😢

静岡のお酒(静岡)

静岡ブロックで気づいたこと——ほぼ全銘柄がフルーティー寄りのお酒に統一されていました。

「静岡酵母」と呼ばれる地域固有の酵母が有名で、フルーティーで軽快な香りを生み出す特性があります。それがここまではっきり地域の色として出ていると、日本酒の産地による個性をリアルに体感できます。

🔗 地域と酒の個性の話は日本酒の産地・地域ごとの味の違いガイドでも詳しく解説しています。


今年の傾向:「個性化」の波が来ている

2年前と比べて感じたこと——フルーティーで個性的なお酒が明らかに増えました。

鑑評会に出品されるお酒は「無難にまとまった」方向に寄りがちで、クリーンで無難なお酒が多くなる傾向があります。でも今年は「個性を出しながらも、品質も高い」という蔵元が目立って増えた印象でした。

日本酒業界全体で「おいしいだけじゃなく、個性が大事」という流れが加速しているのかもしれません。


プロのきき酒トレーニングを体験できるコーナーがあった

きき酒だけじゃなく、体験型のコーナーも充実していました。

  • アルコール度数の違いを当てるゲーム
  • 日本酒度の違いを当てるゲーム
  • 甘味の違いを比較するコーナー
  • 酸味の違いを体験するコーナー
  • 香りサンプルを嗅ぐコーナー
  • 蔵人が座学で使うテキストの展示(手に取って読めます!!)

これ、めちゃくちゃ面白そうでした。でも管理人は列が解消されたと思ったら受付終了でした😭

早めに参加することをここに強く記しておきます。きき酒を始める前に、まずこの体験コーナーの受付を押さえるのが正解です。


後半は「日本酒に飽きる」という珍現象が起きる

これは吐き出しスタイルで挑んだ管理人ならではの正直な感想です。

吐き出していても、300種類も口に含むと後半は明らかに味の差がわかりにくくなります。 舌が疲れてくるというか、判断力が落ちてくる感じ。

そして最終的には——

日本酒そのものに飽きてしまいます。

日本酒大好きな管理人がそう感じるのだから、これはもう生理的な限界です。「きき酒会の後はしばらく日本酒はいいや」という感覚になります😂

でもこれは、それだけ全力で楽しんだ証拠。


U-39チケットという神制度について

一般チケット5,000円に対して、39歳以下は2,000円で参加できるU-39チケット。

会場を見ていると、若い参加者がとても多かったです。「日本酒=おじさんの飲み物」というイメージを払拭しようという、業界の意志を感じる取り組みだと思います。

蔵人さんが一般参加者として普通に列に並んできき酒している光景も見かけました。自分が造ったお酒を他の蔵元と比べながら飲む——これはこれで興味深い体験なのかもしれません。

若い日本酒好きの方は、ぜひこの価格で体験してほしいです。


攻略まとめ

2回の参加から得た教訓を整理します。

やること理由
並んでいる間にパンフレットを熟読する優先銘柄を事前に決めておく
十四代はとにかく最初に向かう開場直後になくなる
体験コーナーの受付は最優先で列が消えた=終了のサイン
全制覇を目指さない1杯22秒は無謀。絞る方が豊か
やわらぎ水をこまめに取る後半の味覚麻痺を少し遅らせられる
吐き出し前提でも後半は疲れる心と体の余裕を残しておく

総評

100点。日本酒を全力で楽しめる唯一無二の場です。

攻略法は正直ありません。時間が足りないのは参加すれば全員が思うことで、それを含めてこのイベントです。

「知らない蔵元との予期せぬ出会い」のために行くのです。

そしてきき酒会の後は、ほぼ確実にしばらく日本酒はいい、という気持ちになります。でも1週間もすれば、また飲みたくなっているのです。

来年も絶対に行きます。


編集後記

目の前には、現実的に飲みきれない数のお酒が並んでいる。

でもそれは、世の中に存在する日本酒のほんの一部に過ぎない。

どれだけ飲み続けても、井の中の蛙だと思い知らされる場所——それが公開きき酒会なのかもしれません。

終わりなき日本酒の旅。これからの日本酒ライフの中で、どんな一本と出会えるか。それが今から楽しみでなりません🍶


📌 次回記事予告 きき酒会の後、管理人はそのまま午後のフェア(第三部)へ移動しました。全国日本酒フェアの様子は別記事でレポートします。フェアはきき酒会とはまた別の熱気があって——こちらもお楽しみに🍶


関連記事

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

コメント

コメントする

目次