「温泉地のお土産のお酒」——と聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか?
「地元の観光向けだから、まあそれなり…」と思ってしまった方、ちょっと待ってください。この1本、そのイメージを軽く覆してくれました🍶
山形県を代表する秘湯・銀山温泉。大正ロマンの街並みで有名なあの温泉地のために醸された「あら玉 銀山温泉」。1797年創業の老舗・和田酒造が、山形のご当地酒米「出羽燦々」を58%まで磨き上げて仕込んだ純米吟醸です。
300mLという旅の記念にちょうどいいサイズで、管理人のもとにやってきたこの1本——飲んでみたら、本気の酒でした✨
商品紹介

🏔 和田酒造とは──1797年から続く、山形の静かな老舗
和田酒造合資会社は1797年(寛政9年)創業。山形県河北町谷地に蔵を構え、200年を超える歴史を持つ酒蔵です。
年間約600石という小規模な生産量で、出荷の8割が県内向け。全国的な知名度は控えめながら、全国新酒鑑評会で19度の金賞を受賞という実績を持つ、実力者です。「地元の蔵人が地元のために醸す酒」というスタンスが、この蔵の静かな誇りのように感じられます。
主力銘柄「あら玉」は、新年を意味する古語から命名された名前。「あらたまの年」——元旦に使われる言葉で、清らかに改まる感覚が銘柄名に込められています。
そして「銀山温泉」というラベルは、あの有名な温泉地のお土産品として生まれた商品。大正ロマンの街並みが有名な銀山温泉で、その地でしか出会えない1本として販売されています。「旅の記憶がそのまま一本のお酒に刻まれる感覚」は、300mLという旅サイズの瓶からもじわじわと伝わってきます🌸
基本情報


- 銘柄:あら玉 銀山温泉
- 製造会社:和田酒造合資会社(山形県河北町谷地)
- 使用米:出羽燦々(でわさんさん)
- 精米歩合:58%
- アルコール度:13度
- 日本酒度:ー
- 特定名称:純米吟醸
- 酵母:-
- 杜氏:-
- 製造日:
- 内容量:300ml
- 価格:-
注目したいのは酒米の「出羽燦々(でわさんさん)」。1997年に山形県が開発したオリジナル酒米で、タンパク質含有量が低く、柔らかく溶けやすい特性を持ちます。「山形生まれのきれいな酒」を醸すために設計されたような米で、吟醸造りとの相性は抜群。
そして精米歩合58%というのは、お米を42%も削り込んだ状態で仕込んでいるということ。純米吟醸の規格(60%以下)をしっかりクリアした磨き具合です(特定名称酒と精米歩合についての詳しい解説はこちら)。
アルコール13度という低めの度数も見逃せません。一般的な純米吟醸が15〜16度帯が多い中で、13度はやや低め。飲みやすさへの設計意図が、スペックから伝わってきます。
テイスティングシート
*個人の感想です
テイスティングコメント
*個人の感想です
🎨 Tasting Experience:銀山の清流を思わせる、華やかさとスムースさ
✨ Visual:クリスタル、あるいはシルバー
グラスに注ぐと、クリスタルとシルバーの間にあるような、透き通った清らかな液体が広がります。
ほぼ無色に近いのに、光の当たり具合でシルバーに輝く。透明感が高く、雑味のない素直な外観です。銀山温泉を流れる清流・銀山川を連想させる、水のような澄み方でした✨
🌸 Nose:白桃とパイナップルとすみれ——これが温泉土産の酒?
グラスを近づけた瞬間、「あ、これは本気だ」と分かりました。
白桃の甘い香りが最初に飛び込んできます。そこにパイナップルの南国系のフルーティーさが重なり、すみれの花のような華やかさも漂う。さらに奥に黄色いリンゴのような落ち着いたフルーツ感、スイカズラのような爽やかな草花のニュアンスが広がります。
さらに奥には、上新粉のような穀物系の温かい香りと、ヨーグルトのほんのりとした乳酸感もそっと存在している。
第一印象は「華やか+さわやか」。これだけ複層的な香りが、13度・58%の純米吟醸からこれほどの密度で出てくるとは正直思っていませんでした。「温泉土産」という先入観が、一嗅ぎで吹き飛びます😂
🍽️ Palate:「軽い」のに「空っぽ」じゃない。スムースな旨みの正体
口に含んだ瞬間の第一印象は、軽い。
13度という度数の低さが、そのまま口当たりに表れています。でも、軽さの中に「薄い」という感覚は一切ない——出羽燦々由来の米の旨みが、するっと口の中に広がってくるのです。
甘みは弱め。主張はしないけれど、ちゃんとそこにある。酸は優しく、なめらか。後口に向かってスムースに引いていく。苦みはコクを添える程度で、「苦い」という感覚ではなく、旨みに奥行きを与えてくれる役割です。
バランスは「スムースかつまろやか」という言葉がぴったり。主張が強いパーツが一つもなく、でも全体で見ると豊かな味わいになっている——これが出羽燦々と精米58%の組み合わせが生み出す「山形の美酒」の正体だと感じました。
余韻は短め。飲み込んだ後にすっきりと引いていく潔さがあります。「次の一口が恋しくなる、引き際の美しさ」——まさにこれです🍶
🍽️ ペアリング提案
「軽くてスムース、なめらかな酸、短い余韻」——このプロファイルは、デリケートな素材の料理と抜群に合います。
- 山形名物・芋煮 — 山形の酒なら山形の料理と。牛肉と里芋の旨みを、スムースなお酒がやさしく流してくれます。秋の芋煮会に持ち込んだら絶対に盛り上がる
- 白身魚の刺身(ヒラメ・鯛) — 華やかな香りが繊細な白身魚の旨みと共鳴します。なめらかな酸が魚の鮮度をより際立たせてくれる
- 茶碗蒸し・はんぺんの煮物 — 上新粉・ヨーグルトの香りが、ふわっとした卵料理や白い食材との相性◎
- 豆腐料理(湯豆腐・冷奴) — 軽めの度数と静かな甘みが、素材の淡い旨みを消さずに寄り添います
- 温泉宿の懐石料理全般 — これが本来の飲み方!銀山温泉の湯宿で出てきたら、それだけで旅の記憶になります
温度帯は冷酒(8〜12℃)が最もバランスよく香りが楽しめます。少し温まってくると上新粉やヨーグルトのニュアンスが強まり、また違った顔を見せてくれます🌸
こんな人に特におすすめ
- 「香りは華やかだけど、重くない酒を探している」方——白桃・パイナップルの華やかさと、13度のスムースな口当たりは、その要望に完璧に答えてくれます
- 「山形・銀山温泉に旅行予定がある」方——現地で出会えたなら迷わず手に取ってください。旅の記憶がそのまま瓶に詰まっています
- 「日本酒を飲み始めたばかりで、とっかかりの1本を探している」方——ラベルの読み方はこちらを先に読んでからこの1本を開けると、日本酒の世界への入り口がぐっと広がります
お酒を呑み終えて
このあら玉 銀山温泉、実はお土産でいただいた1本でした。
正直に白状します——最初は「まあ、温泉街のお土産酒だしな」と思っていました。旅館の売店に並んでいるクラシックな地酒。悪くはないけど、飛び抜けてもいない。そういう1本を想像していたんです😂
だがしかし。
実は、注ぐ前からラベルを見て「ん?」と感じていました。出羽燦々、精米歩合58%、アルコール13度——温泉土産にしては、スペックが妙に現代的です。
グラスに注いで、鼻を近づけた瞬間に「まさか!?」となりました。白桃、パイナップル、すみれ——まったくもってフルーティ!!
そして口に含んで、確信に変わりました。
この酒、ちゃんと現代風にアップデートされています。1797年創業の老舗が、時代に合わせてきっちり進化していた。「温泉土産=クラシック」という先入観が、まるごと覆された瞬間でした。
「隠れた名品」というのは、こういうお酒のことを言うんだなと思います。知らずに出会って、飲んで、驚いて、調べて、もっと好きになる——そのプロセスが、日本酒の一番楽しい飲み方かもしれません🍶
持ってきてくれた方に、改めて感謝です。
・20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。
・お酒は適量を守ってお楽しみください。
・妊娠中や授乳期の飲酒は胎児・乳児の発育に悪影響を与える恐れがあります。





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