七賢の蔵でしか買えない。山梨銘醸「劉伶」純米大吟醸生酒は、酒好きの魂が宿る一杯だった

「なんで蔵でしか売ってないんですか?」と聞きたくなる出来栄えでした。

グラスに注いだ瞬間から漂うメロンと洋ナシの華やかな香り。口に含むとフルーツシロップのようなとろんとした甘みが広がって、すっと消えていく。

山梨銘醸株式会社——七賢(しちけん)ブランドで知られる蔵元——が、蔵元直売所限定で販売する「劉伶(りゅうれい)」純米大吟醸生酒。白州の名水と47%まで磨いた米が生み出す、この上品なフルーティーさ。この酒に込められた名前の意味を知ってから飲むと、また違った味わいが出てきます🍶

目次

商品紹介

🏔️ 山梨銘醸(七賢)とは──白州の名水と、竹林の七賢人

山梨銘醸は1750年(江戸時代)創業の老舗蔵元。「七賢(しちけん)」という銘柄名で広く知られており、甲州街道・台ヶ原宿の風景の中に蔵を構えています。

「七賢」という名前の由来は、中国・晋代の知識人グループ「竹林の七賢人」。1835年に蔵の5代目当主が高遠城主から竹林七賢図の欄間を贈られたことが、このブランド名の起源です。

そしてこのお酒の名前「劉伶(りゅうれい)」も、その竹林の七賢人の一人から取っています。阮籍・嵆康・山濤・劉伶・阮咸・向秀・王戎——七人の中で、劉伶は別格の「酒豪」として知られています。「酒があれば何もいらない」という生き方を貫いた人物で、酒にまつわる逸話は七賢人の中でも群を抜いています。

七賢ブランドの中で、最も酒好きな賢人の名前を冠したお酒。それが「劉伶」です。名前からして、酒への覚悟が違います✨

蔵の立地は南アルプス・甲斐駒ヶ岳の南麓、白州町。蔵の敷地内にある大井戸から汲み上げる天然水は、甲斐駒ヶ岳の伏流水で「日本名水百選」にも選ばれた名水です。白州といえば、サントリーのウイスキー蒸留所も同じ地に構えています——あの端麗で森の香りがする白州ウイスキーと、竜伝の仕込み水は、同じ南アルプスの恵みを受けているんです(ただし山梨銘醸は270年以上、この水でお酒を醸し続けてきた独立した蔵元です)。

山梨銘醸の理念は「地の米、地の水、地の人」。地元農家との契約栽培で地域内自給率95%以上を実現しており、「白州の水で、白州の米を、白州の人が醸す」という完結した世界観を持つ蔵です

基本情報

  • 銘柄:劉伶(りゅうれい)
  • 製造会社:山梨銘醸株式会社
  • 使用米:-
  • 精米歩合:47%
  • アルコール度:15度
  • 日本酒度:ー
  • 特定名称:純米大吟醸
  • 酵母:-
  • 杜氏:-
  • 製造日:2026.03
  • 内容量:720ml
  • 価格:¥2420(税込)

このお酒の大きな特徴が「生酒」であること。火入れ(加熱処理)をせずに出荷する生酒は、フレッシュな香りと活きた旨みが持ち味。精米歩合47%は「お米を53%も削った」という意味で、純米大吟醸の基準(50%以下)をさらに上回る磨き加減です(特定名称酒と精米歩合の詳しい話はこちら)。

生酒 × 純米大吟醸 × 47%磨き——この組み合わせで2,420円というのは、正直かなりのコスパです。蔵元直売所限定というのが惜しいですが、だからこそ「現地に行かないと買えない特別感」が生まれているとも言えます。

テイスティングシート

*個人の感想です

テイスティングコメント

*個人の感想です

🎨 Tasting Experience:白州の清流が、グラスの中で踊る

✨ Visual:シルバーに輝く、清流のような透明感

グラスに注ぐと、シルバーに輝く透明な液体が目に飛び込んできます。

「透明感がある」のに「シルバー」という色もある——矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、光の当たり方によってキラッと輝く感じ、とでも言いましょうか。まるでアルプスの清流をそのままグラスに閉じ込めたような外観です。

生酒ならではの「生き生きとした」輝きがここにある気がします(思い込みも大事😂)。

🌿 Nose:メロン・洋ナシ・新緑。華やかなのに押しつけがましくない

香りを嗅いで最初に感じるのは、「さわやかさ」と「華やかさ」が同時に来る、不思議なバランスです。

フルーティーで甘そうなのに、どこか清潔感がある。マスカットや青リンゴのような「これから熟す前の果物のさわやかさ」というか、甘さの中に青みが混じった香りです。

嗅ぎ進めると、メロン・洋ナシ・パイナップルが次々と顔を出します。果実感は豊かだけど、重くならない。後ろから新竹・新緑のようなグリーン系のニュアンスが追いかけてきて、フルーティーさに爽快感を加えています。そして最後にふっとヨーグルトのような乳酸系の香りがそっと鼻に届く。

「これが純米大吟醸生酒の模範解答か」と素直に思いました✨

🌊 Palate:とろんとした甘み、すっと消えるキレ

口に含んだ最初の印象は「軽い」——でも、その軽さの中にとろみがあります。

フルーツシロップのような、とろんとした甘みが最初に広がる。これが生酒ならではの質感です。火入れしていない分、甘みのテクスチャーが柔らかく、なめらかで、口の中に自然に溶けていきます。酸はおだやかで角がなく、苦みはほぼ感じない——要素のひとつひとつが、主張しすぎず、でも確かにそこにある。

バランスは「スムースでコンパクト」。すべての要素が過不足なく収まっていて、どこにも尖った部分がない。余韻はやや短め。フルーティーな甘みがすっと引いて、クリアな後味が残る。

短く潔いフィニッシュ。次の一口が恋しくなる、引き際の美しさ」——以前の仙禽レトロのレビューで書いた言葉が、このお酒にもそのまま当てはまります。短い余韻が、またグラスに手を伸ばさせる。劉伶が「酒があれば何もいらない」と言い続けた気持ちが、少しわかる気がしました😂


🍽️ ペアリング提案

「軽やかで上品な甘みとフルーティーさ」というプロファイルには、繊細な料理が似合います。

  • 刺身(白身魚・ホタテ・甘エビ) — 軽い甘みとなめらかな酸が、繊細な旨みと馴染む。タイ・ヒラメ・ヤリイカあたりが特におすすめ
  • 山菜の天ぷら(タラの芽・コシアブラ) — 新竹・新緑の香りを持つこのお酒、春の山菜と合わせると季節感が倍増。「白州の山に生えてるかも」と想像しながら飲むのも楽しい🌿
  • フレッシュチーズ(モッツァレラ・リコッタ) — ヨーグルト香があるので乳製品との相性が抜群。カプレーゼと合わせると、メロン香がさらに引き立ちます
  • フルーツ(マスカット・メロン) — お酒と食材の香りが共鳴する黄金ペアリング。食後のデザートとして楽しむのもあり

温度帯は冷酒(10〜12℃)がベスト。生酒のフレッシュな香りと甘みが最もきれいに出る温度帯です。氷水に瓶ごと5分つけてから注ぐのが管理人のおすすめの飲み方。


こんな人に特におすすめ:

  • 「フルーティーな日本酒を探しているけど何を選べばいいか分からない」という方── 劉伶は、その問いに真っ直ぐ答えてくれる一本です
  • 日本酒を贈り物にしたい方── 「蔵元直売所でしか買えない・南アルプスの名水仕込み・270年の老舗」というストーリーは、そのまま贈る言葉になります
  • 山梨・白州方面に旅行の予定がある方── 現地でしか手に入らない一本を、ぜひ蔵元で買って帰ってください

お酒を呑み終えて

上諏訪の酒蔵めぐりを終えた後、旅の締めくくりとして八ヶ岳方面に足を伸ばし、白州の山梨銘醸に立ち寄りました。

酒蔵訪問の悩みどころは、車移動の旅だと試飲ができないこと。蔵のショーケースにずらりと並んだお酒を眺めながら、「全部飲んでみたい」と思いつつも泣く泣くボトルだけ手に取る——あの葛藤、酒好き旅人なら分かってもらえるはずです😂

それでも、ラベルを見て、蔵の空気を吸って、スタッフの方に話を聞いてからお酒を選ぶ体験は、スーパーやECで買うのとは全然違う。旅の記憶がそのまま一本のお酒に刻まれる感覚があります。

家に帰ってから冷蔵庫で冷やして開けた「劉伶」。旅の疲れと余韻の中で飲んだ一杯は、白州の空気ごと詰まっているようでした。

酒蔵訪問+旅行は、本当にいい組み合わせです。お酒の味だけでなく、その土地の空気・水・人が味の記憶に重なる。「日本酒をきっかけに旅に出られる、というのが管理人にとって最大のご褒美」と、今回もしみじみ実感しました🍶


最も酒を愛した賢人の名を冠したお酒が、こんなにも軽やかで飲みやすいのは——お酒とは、難しく考えず「ただ楽しめばいい」という劉伶からのメッセージなのかもしれません。

蔵に行かないと買えない不便さも含めて、このお酒の魅力だと管理人は思っています。「現地でしか飲めない」体験は、味の記憶を何倍にも鮮やかにしてくれるから🍶

・20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。
・お酒は適量を守ってお楽しみください。
・妊娠中や授乳期の飲酒は胎児・乳児の発育に悪影響を与える恐れがあります。

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