帰り道に「七賢」へ。甲州街道に佇む酒蔵・山梨銘醸は、想像の2倍大きかった

上諏訪の諏訪五蔵めぐりの翌日、知り合いの画家さんが八ヶ岳倶楽部で個展を開いているというので、奥さんと二人で絵を見に行きました。

その帰り道。「そういえば白州を通るな」と気づいて、ナビを七賢(山梨銘醸)に向けました。

前日に5蔵を飲み歩いて、翌日は美術と日本酒の蔵見学。欲張りすぎる二日間でしたが、後悔はまったくありません😄


目次

🏯 蔵元スペック

  • 蔵元名:山梨銘醸株式会社
  • 銘柄:七賢(しちけん)
  • 所在地:山梨県北杜市白州町台ヶ原2283
  • 創業:1750年(寛延3年)
  • 仕込み水:南アルプス尾白川伏流水(日本名水百選)
  • 契約栽培米:夢山水・ひとごこち(地元農家との協働)
  • アクセス:中央道 小淵沢IC より車で約20分 / JR長坂駅よりタクシー10分

📍 第一印象──「想像の2倍、大きかった」

蔵の裏手にある駐車場に車を停めて、工場エリア・水場・行在所と回り、最後に正面入り口へ抜けるルートで蔵を一周しました。

最後にたどり着いた正面入り口で、思わず立ち止まりました。

「こんなに立派な蔵だったのか」

裏から入ったので全体像を把握しきれていなかったのですが、正面から眺めると、その規模感に改めて圧倒されます。甲州街道沿いにどっしりと構える木造建築は、写真で見るよりずっとスケールが大きい。

「すごいね、ここ」——隣に立った奥さんが、何度もそうつぶやいていました。歴史的な建物に対して素直に感動できる人なので、見ていてこちらも嬉しくなりました。


💡 正直に言うと、「観光地化されてる!」と思った

最初にもう一つ正直な感想を書いておくと、管理人は「もっと静かな、昔ながらの酒蔵」を想像していました。

実際はレストランがあり、カフェがあり、見学スポットが複数あり、駐車場も広々と用意されている。ショーケースには多彩なラインナップが並んでいて、スキンケア商品や発酵食品まで取り扱っている。

「これ、日本酒好きじゃなくても楽しめる蔵だ」——そう気づいたとき、少し驚きと同時に、感心しました。

老舗の蔵が、しっかりと「訪れる場所」として開かれている。日本酒に興味がない奥さんのような人でも、建物の歴史や食を楽しみながら過ごせる設計になっている。これは簡単なようで、なかなかできないことだと思います。

今回は時間に余裕がなく、じっくり見学できなかったのが心残りでした。


🌊 すべては「水」から始まった蔵

蔵の中ほどにある水場で、仕込み水を一口いただきました。

南アルプス・甲斐駒ヶ岳を源とする尾白川の伏流水。日本名水百選にも選ばれた名水です。

ほのかな甘みすら感じるほど、穏やかで澄み切った味わい。「これで酒を醸したらどんな酒になるのか」と考えながら飲むと、七賢のあの柔らかな口当たりが腑に落ちる気がしました。

1750年(寛延3年)、信州・高遠の北原家から分家した初代・北原伊兵衛がこの白州の地を選んだのは、この水に惚れ込んだから。300年前の判断が、今もこの蔵を支えているわけです。


📖 「七賢」という名前の由来と、明治天皇との縁

せっかくなので、蔵の歴史を少しだけ。

「七賢」という酒名の由来は、1835年(天保6年)にさかのぼります。五代目蔵元が母屋を新築した際、高遠城主から贈られたのが「竹林の七賢人」を彫った欄間一対。この欄間が、そのまま銘柄名の由来になりました。

さらに1880年(明治13年)、明治天皇の山梨巡幸の際、母屋の奥座敷が「行在所(あんざいしょ)」——つまり天皇の宿泊所——に指定されます。その奥座敷は今も山梨県指定有形文化財として残っており、見学することができます。

行在所と、「竹林の七賢人」の欄間。そのどちらも今も現役で公開されているというのが、この蔵の凄みです。

なお、七賢の銘柄名・蔵の歴史・白州の水について、もっと詳しく知りたい方は劉伶のレビュー記事の冒頭にまとめています。


🍾 スパークリング日本酒の先駆者でもある

管理人が七賢を知るきっかけになったのは、スパークリング日本酒でした。

2015年、5年間の開発期間を経てリリースされた瓶内二次発酵のスパークリング日本酒は、シャンパーニュと同じ製法できめ細やかな泡を生み出し、国内外で数々の賞を受賞しています。

今回の訪問でショーケースを見ながら迷って選んだのが、「空の彩(そらのいろ)」。車での訪問だったので試飲なしでの購入でしたが、こちらのレビューはまた別途!


🛒 購入したもの

今回蔵元で手に入れたのは2本。

  • 劉伶(りゅうれい) 純米大吟醸生酒:蔵元直売所限定の一本。精米歩合47%、メロンと洋ナシが薫る上品なフルーティーさ。蔵元限定品の中でも管理人イチオシです。詳しくはレビュー記事をどうぞ🍶
  • 空の彩(そらのいろ):七賢のスパークリング日本酒。こちらは近日レビュー予定。

車での訪問あるある——試飲ができない葛藤。ショーケースの前でラベルを読んで、スタッフさんに話を聞いて、直感で選ぶ。スーパーやECで買うのとは全然違う体験です。旅の記憶がそのまま一本に刻まれる感じ、伝わりますかね。


🏛 蔵の見どころまとめ

酒処 大中屋

試飲カウンターで七賢の酒を飲み比べながら購入できるショップ。蔵元限定生酒「七賢人シリーズ」はここでしか手に入らない。

  • 営業時間:9:00〜17:00(試飲 〜16:30)

行在所・伝奏蔵(要予約・各300円)

明治天皇が宿泊した奥座敷と「竹林の七賢人」欄間をガイド付きで見学できる。伝奏蔵では北原家所蔵の美術品・古文書を季節ごとに公開。

レストラン臺眠(だいみん)

地元食材と発酵の技を活かした和食。席に着くと仕込み水が供される。

  • 昼営業:11:30〜15:30(LO 15:00)

くらかふぇ

糀糖を使ったスイーツのカフェ。4〜8月の土日祝のみ営業。

🌟 次回は「七賢物語ツアー」に参加したい

蔵の中で案内を見つけて気になったのが、月2回開催の「七賢物語ツアー」。酒蔵・行在所・焼酎貯蔵庫・御前水などを回り、日本酒テイスティングつきの約2時間コース(7,000円/人)。

今回は時間がなくて断念しましたが、次回は近くに宿を取ってここを目当てに来ることを心に誓いました。宿を拠点にタクシーで回れば、試飲もツアーも心置きなく楽しめます。


🗺 訪問情報まとめ

項目内容
住所山梨県北杜市白州町台ヶ原2283
公式サイトsake-shichiken.co.jp
アクセス(車)中央道 小淵沢IC より約20分
アクセス(電車)JR中央本線 長坂駅よりタクシー約10分
駐車場あり(広め)
休業日12/31〜1/3(施設により異なる)
七賢物語ツアー月2回・7,000円/人・要予約(前月15日まで)

✍️ 管理人の独り言

前日の諏訪五蔵めぐりで5蔵を飲み歩き、翌日は八ヶ岳で芸術、そして帰り道に白州の酒蔵へ。こんな二日間が送れることが、日本酒をきっかけに旅に出るという生活の最大のご褒美だと思っています。

「七賢、思ったよりずっと観光地化されてたね」と帰りの車で奥さんが言ったとき、管理人は「それが良かったんだよ」と答えました。

一人で酒を飲みたいだけの人も、歴史的な建物を見たいだけの人も、日本酒は飲まないけど食事をしたい人も、それぞれに楽しめる場所がある。そういう蔵は、少ない。

次は近くに宿を取って来ます。七賢物語ツアーの予約を取って、臺眠でゆっくり食事をして、試飲して帰る——そういう一日の設計ができるほどに、この蔵には見どころがある。

白州の水の旨さを体で知ってから飲む七賢は、また格別です🍶


🍡 ついでに立ち寄りたい──甲州街道「台ケ原 金精軒」の極上生信玄餅

山梨銘醸から歩いてすぐ、同じ甲州街道台ヶ原宿の並びに「金精軒(きんせいけん)」という和菓子屋さんがあります。

ここの名物が「極上生信玄餅(ごくじょうなましんげんもち)」。

山梨のブランド米「梨北米」を使い、砂糖を極限まで減らした本物のお餅を黒蜜ときな粉でいただくシンプルな逸品です。消費期限3日のため基本的にお店でしか買えない(現地に行かないと手に入らない)という希少さも人気の理由。

管理人もしっかりお土産に購入してきました。七賢で酒を買って、金精軒で極上生信玄餅を買って帰る——台ヶ原宿の王道コース、おすすめです🍡


🥃 白州・小淵沢エリアは「リカーの聖地」だった

今回の旅を終えてから改めて気づいたのですが、この北杜市白州・小淵沢エリア、お酒の密度が異常です。

日本酒・ウイスキー・クラフトビール・ワイン——4ジャンルのお酒が、車で30分圏内に揃っている地域がほかにあるでしょうか。管理人は思いつきません😂

その理由は明快で、すべての答えはひとつ。南アルプスの水です。

甲斐駒ヶ岳を源とする清冽な伏流水が、この地のあらゆるお酒の基盤になっている。日本酒を通してその水に出会ったのに、気づいたらウイスキーもビールもワインも、同じ水から生まれていた——こんなに気持ちのいい「答え合わせ」はなかなかない。


🗓 白州・小淵沢エリア 欲張り旅行プラン案

せっかくなので、このエリアで「お酒と旅を全部楽しむ」プランを妄想してみました。

【1泊2日プラン】

1日目

  • 午前:サントリー白州蒸溜所(見学・試飲ツアー、要予約)
  • 昼食:Hakushu Terrace(蒸溜所内のレストラン。山梨県産食材と石窯ピザが名物。要予約)
  • 午後:山梨銘醸(七賢)── 行在所・伝奏蔵の見学、酒処大中屋で試飲・購入
  • 夕食:レストラン臺眠で発酵料理と七賢の一杯
  • 宿泊:小淵沢・清里エリアのホテル

2日目

  • 午前:クラフトビールのブリュワリー見学
  • 昼食:ワイナリーでランチ&ワインテイスティング
  • 午後:金精軒で生信玄餅をお土産に
  • 帰路

近くに宿を取って、タクシーで回るのがベスト。試飲が全部できるし、移動も楽。小淵沢や白州周辺の宿を拠点にすれば、各スポットを心置きなく制覇できます。

お酒好きな友人を誘って、「お酒の種類ごとに蔵・工場を全制覇する旅」なんてのも最高だと思います。このエリア、まだまだ深掘りしたい🍶

・20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。
・お酒は適量を守ってお楽しみください。
・妊娠中や授乳期の飲酒は胎児・乳児の発育に悪影響を与える恐れがあります。

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