江戸の粋と現代の感性が交差する。20年前の「仙禽」に再会する一杯──『仙禽 レトロ』

目次

商品紹介

「懐かしい」のに「新しい」。そんな矛盾した感覚を一本に込めたお酒があります。

栃木県さくら市の蔵元・せんきんが醸す「仙禽 レトロ」。テイスティングシートとともに届いたこの一本、開栓した瞬間から「あ、これは特別だ」と直感しました🍶

🏯 せんきん蔵について──1806年から続く「地産地消」の哲学

仙禽を醸す株式会社せんきんは、1806年(文化3年)創業。栃木県さくら市に蔵を構える、200年以上の歴史を持つ老舗です。

でも、この蔵が面白いのは単に歴史が長いだけじゃありません。

せんきんが掲げるのは「ドメーヌ・さくら」というコンセプト。フランスのワイン用語「ドメーヌ」(自ら農地を持ち栽培から製造まで行う生産者)を日本酒に応用した考え方で、使う酒米はすべてさくら市産にこだわるという徹底ぶりです。

土地の水、土地の米、土地の空気。すべてが「さくら市」という場所に根ざした一本。飲む前からすでにロマンがあふれていませんか?

基本情報

  • 銘柄:仙禽 レトロ (Senkin Retro)
  • 製造会社:株式会社せんきん(栃木県さくら市)
  • 使用米:さくら市産 雄町 80% / 山田錦 20%
  • 精米歩合:非公開(ドメーヌ・さくら)
  • アルコール度:13度(原酒)
  • 日本酒度:ー
  • 特定名称:純米吟醸
  • 酵母:
  • 杜氏:
  • 製造日:
  • 内容量:720ml
  • 価格:

🔬 「生酛×13度の原酒」ってどういうこと?

ここで少し解説を挟ませてください。このスペックの組み合わせ、実はかなり異色なんです。

生酛(きもと)とは、江戸時代から続く伝統的な酒母(酒のもとになる液体)の造り方です。現代の主流は乳酸を外から添加する「速醸(そくじょう)」ですが、生酛は自然界の乳酸菌が育つのをひたすら待つ、非常に手間のかかる製法。詳しくは「生酛・山廃」の解説記事でも紹介していますが、一言で言えば「野生の力を借りた、超手間暇かかる醸造法」です✨

で、この生酛から生まれるお酒は通常、複雑な旨味と骨格のある酸を持つことが多い。どっしり系、です。

ところが仙禽レトロは13度。普通の日本酒が15〜16度であることを考えると、これはかなり低め。しかも「原酒(げんしゅ)」(加水しない、醸造したままの状態)です。

普通、原酒って度数が高め(17〜18度)になるはず。なぜ13度に抑えられているかというと、発酵をコントロールして糖分をアルコールに変える量を意図的に少なくしているから。これ、めちゃくちゃ繊細な技術が必要なんです。

重厚になりがちな生酛の力を借りながら、現代の食卓に寄り添う軽やかさを実現する──これが「仙禽 レトロ」のコンセプトです。

テイスティングシート

*個人の感想です

外観(清澄度)

透明感がある霞んだ濁った
その他

外観(濃淡)

無色に近い淡いやや淡い
やや濃い濃い
その他

外観(色調)

クリスタルゴールドシルバー
グリーンイエロートパーズ
オレンジブラウン
その他

香り(第一印象)

若々しいさわやかな華やかな
ふくよかな芳醇なおだやかな
熟成香を感じるその他

香り(特徴)

グレープフルーツりんご洋梨
白桃バナナメロン
パイナップルマスカットライチ
スイカズラスミレアカシア
菩提樹セルフィーユ青竹
新緑紅茶月桂冠の葉
ヒノキ香木ゴボウ
挑戦人参マッシュルーム椎茸
丁子シナモンビターチョコ
クルミアーモンド
炊いた米つきたての餅上新粉
白玉団子杏仁豆腐生クリーム
サワークリームヨーグルト発酵バター
クリームチーズ粘土腐葉土
石灰カラメルコーヒー
醤油ヨード香蜂蜜
スモーク香カビタマネギ
熟成チーズその他

味わい(第一印象)

軽いやや軽いやや強い
強いその他

味わい(甘味)

弱い上品なまろやかな
ふくよかな強い
その他

味わい(酸味)

爽やかな優しい丸みがある
なめらかなきめ細かいシャープな
しっかりとした力強い
その他

味わい(苦味)

控えめ穏やかなコクを与える
旨味がある強い
その他

味わい(バランス)

スムースなハツラツとしたドライな
まろやかなねっとりとしたコンパクトな
フラットな芳醇な厚みのある
力強いその他

味わい(余韻)

短いやや短いやや長い
長いその他

テイスティングコメント

*個人の感想です

🎨 Tasting Experience:江戸が宿る、瑞々しい果実の記憶

💎 Visual:13度が纏う、静かな透明感

グラスに注ぐと、シルバーに輝く吸い込まれるような透明感。見た目だけで「あ、これ絶対きれいに造ってるやつだ」と確信させてくれます。13度という低アルコールを体現するかのような、力みのない軽やかさ。

🍐 Nose:洋ナシと新緑が交差する、凛とした華やかさ

最初の印象は「あ、これ絶対フルーティーじゃん!!」という感じのさわやかで凛とした香り🌸

特徴的なのは洋ナシやライチ、メロンを思わせる瑞々しい果実味。そこにスミレや新緑の繊細なニュアンス、さらには上新粉のようなふっくらとした米の気配も重なります。フルーティーだけど、ちゃんと「日本酒」してる。そのバランスが絶妙です。

🌊 Palate:軽やかな酸と、潔い引き際の美しさ

口に含んだ瞬間の衝撃は「え、こんなに軽やかなの!?」です。

13度という低めのアルコールが生み出す、爽やかで軽快な酸。なめらかでありながら、後に引かないスムースなドライさ。そして「短く潔いフィニッシュ。次の一口が恋しくなる、引き際の美しさ」──これがこのお酒の最大の魅力だと管理人は思っています。

余韻が長く続くタイプではないんですが、それが逆に「もう一口…」と手が伸びてしまう中毒性を生んでいます。危ない🍶(管理人、気づいたら半合なくなってました)

🍽️ ペアリング提案

低アルコール×フルーティーな酸という個性は、意外に料理を選びません。でも特に合わせてほしいのがこちら:

  • 白身魚のカルパッチョ・マリネ — 酸の爽やかさが魚の旨味を引き立てます
  • 鶏のムース・テリーヌ — やさしい甘みと肉の旨味の相性が抜群
  • カプレーゼ — トマトの酸とライチのような果実味が共鳴します

「日本酒って和食じゃないとダメ?」と思っている方、ぜひ洋食と合わせてみてください。このお酒を飲むと、その常識が吹き飛びます✨

お酒を呑み終えて

最近、ライブに行きました。7〜8年ぶりに見るアーティストです。

以前は小さなライブハウス。整理番号を握りしめて、ステージとの距離が近くて、汗と熱気がダイレクトに来るあの感じ。それが今回は、行政や企業と手を組んだ一大野外イベントになっていました。

「あのバンドが、こんなに大きくなったのか」

素直にすごいと思いました。でも同時に、ちょっと不思議な気持ちにもなるんですよね。あの小さいハコで見ていた頃の景色も、ちゃんと自分の中にある。成長を喜びながら、どこかであの頃の空気を懐かしんでいる。

仙禽 レトロを飲みながら、そのことを思い出していました。

このお酒のコンセプトは「20年前の仙禽への回帰」。現代のせんきんといえばグラスに注いだ瞬間から広がる華やかなフルーティー系が代名詞ですが、かつての仙禽はもっと落ち着いた、生酛の酸が主役だったと聞きます。そこへあえて戻る、という選択。

バンドが大きくなった先で、あの頃のライブハウスの景色を再現するような、そんな試みに見えました。

時間が経つって、前に進むことだけじゃないんだな、と🌸

・20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。
・お酒は適量を守ってお楽しみください。
・妊娠中や授乳期の飲酒は胎児・乳児の発育に悪影響を与える恐れがあります。

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