「地酒ストリート2026」にボランティアスタッフとして参加してきた話|9:30〜20:00、静岡・清水の熱気を裏方から見た一日

中部9・10月イベント記事で「管理人も今年、このイベントに参加予定です🍶」と書いたのを覚えているでしょうか。

あのとき、実は「参加予定」の中身をまだ濁していました。正確には——参加者ではなく、ボランティアスタッフとしてです。

2026年9月13日(日)、静岡・清水で開催された「第5回 地酒ストリート2026」。全国62の蔵元、約360種類のお酒が清水駅前銀座商店街に集結する県内最大級の日本酒イベントに、管理人は裏方として丸一日入り込んできました。

飲むためではなく、支えるために行く。そんな一日がどんなものだったか、正直にレポートします。


目次

地酒ストリート2026、どんなイベント?

📅 2026年9月13日(日)12:00〜17:00|🏠 清水駅前銀座商店街(静岡市清水区)

久保山酒店が主催する、清水の街をまるごと使った日本酒イベントも今年で5回目。北海道から鹿児島まで全国62の蔵元が集結し、日本酒・焼酎・ウイスキー・ワイン・ジンまで含めておよそ360種類が楽しめます。来場者数は約2,800人だったそうです。

商店街の一角が丸ごと酒場に変わる規模感は、静岡でもなかなかお目にかかれません。この熱量については前回の中部イベント記事でも触れましたが、今回は「客席側」ではなく「運営側」からその熱気を見てきました。


商店街まるごとが会場、屋台グルメも負けていない

地酒ストリートの主役はもちろんお酒ですが、会場を歩き回っていて実感したのは、飲食店の充実っぷりでした。

公式情報によると、立ち飲み天ぷら酒場や太刀魚串焼き、黒はんぺんの甘辛煮、うなぎの蒲焼串、三元豚の熟成ハラミ焼きなど、静岡ならではのローカルグルメから居酒屋メニューまで、数多くの屋台・飲食店が出店していました。お酒だけでなく、しっかり食べながら楽しめる設計になっているのが地酒ストリートの魅力のひとつです。

さらに印象的だったのは、清水駅前銀座商店街そのものが会場になっていること。魚屋さんや惣菜店、乾物屋さんといった、普段からこの商店街にあるお店も一緒になってイベントを盛り上げていました。商店街全体がひとつになってお祭りを作っている一体感は、単独の会場で開催されるイベントにはない魅力だと感じました。


なぜボランティアに?きっかけはYOMOYAMAでの経験

きっかけは単純で、イベント紹介記事を書くために地酒ストリートを調べていたときに、公式サイトでボランティア募集を見つけたことでした。

とはいえ、知らない土地の知らないイベントにいきなりボランティアで飛び込むのは、少し勇気がいります。ここで効いたのが、神蔵「南風HAE」レビューの編集後記でも触れたYOMOYAMA NAGANOでのボランティア経験。何度か現場に入ったことがあったので、「勝手はだいたいわかる」という気軽さで応募できました。

過去の経験が、まったく違う土地・違うイベントへの参加のハードルを下げてくれる——これもボランティアを続けるひとつの利点かもしれません。


業務内容は「公式に書いてあること、全部」

ボランティアの募集要項には「会場設営・蔵元ブース商品補充・受付誘導補助・ごみ収集・片付け・お客様アテンド補助」と書かれていました。

結論から言うと、このリストに載っていることを、ほぼ全部やりました

朝9時半に集合し、開場前の会場設営からスタート。イベント中は蔵元ブースの商品補充とお客様のアテンド補助に入り、閉場後はごみ収集と撤収作業。気づけば夜20時、丸10時間半の稼働でした。

イベント自体は12:00〜17:00の5時間ですが、ボランティアの拘束時間はその倍以上。準備と後片付けにどれだけ人手と時間がかかっているか、身をもって知ることになりました。

正直に言うと、この記事用の写真もほとんど撮れていません。スマホを構える暇すらないくらい、ずっと手が離せない状態だったということで、大目に見てもらえたら嬉しいです。


常に行列だった蔵元たち

裏方とはいえ、会場内を動き回る立場だったからこそ見えた光景があります。特に而今・田酒・黒龍・鍋島あたりのブースは、時間帯を問わずずっと行列でした。

中部イベント記事で「而今は前年大行列だったという話を管理人も聞いています」と書いたのですが、実際に現地でその行列を目の当たりにして、噂が誇張ではなかったことを確認できた形です。

ちなみに鍋島は当ブログでもレビュー済みの銘柄。あの旨味の強さを知っていると、行列ができるのも納得でした。

而今の並びは半端ない

これが一番驚きだった:管理人、一滴も飲んでいません

正直に告白します。この日、管理人はお酒を一杯も飲んでいません

地酒ストリートのボランティアは、応募時にシフトの時間帯を相談できる仕組みになっています。短めのシフトを選べば、残りの時間は自分でチケットを買ってイベントに参加することもできるんです(ボランティア参加=無料入場になるわけではなく、あくまでチケットは別購入が必要です)。

管理人が選んだのは、朝9時半から夜20時までの丸一日通しシフト。イベント時間(12:00〜17:00)をまるごと含む形だったので、そもそも試飲に回る時間枠自体がありませんでした。360種類のお酒が集まる会場のど真ん中に丸一日いたのに、口にしたのは休憩所で用意してもらったお弁当だけ。撤収作業まで走り抜けて、気づけば一滴も飲まないまま一日が終わっていました。

日本酒好きが日本酒イベントで一滴も飲まずに一日を終える——我ながらシュールな話ですが、これはこれで貴重な経験でした。お客さんの「美味しい!」という声や、蔵元さんが注ぎながら浮かべる嬉しそうな表情を、飲み手ではなく支え手の立場でずっと見ていられたからです。

ガチで朝から設営に参加しました

これから地酒ストリートのボランティアに応募する人へ

もし来年以降、地酒ストリートのボランティアに興味を持った方がいたら、いくつかアドバイスを。

  • 丸一日ボランティアは「ガチの裏方作業」だと覚悟しておく:今回の管理人のように長時間シフトを選ぶと、本当に会場設営から撤収まで動き通しで、イベントを楽しむ余裕はほぼありません。裏側の雰囲気をとことん味わいたい人向けです
  • イベントも楽しみたいなら、短時間ボランティア or 参加のみがおすすめ:短めのシフトを選んで残り時間でチケットを買うか、思い切ってボランティアなしで参加者として楽しむか。どちらかのほうが、試飲もちゃんと楽しめます(ボランティア参加が無料入場になるわけではなく、試飲するなら別途チケット購入が必要です)
  • 清水の街が好きな人、地域貢献をしたい人には丸一日ボランティアもおすすめ:試飲を楽しむことより、地元のお祭りを裏側から支えることに意義を感じるタイプなら、長時間シフトでもきっと充実した一日になります
  • 休憩所でお弁当が出ます:長時間の作業でも食事の心配はいりません
  • 動きやすい服装・靴は必須:会場設営から撤収まで、想像以上に体を動かします

まとめ:飲むだけが日本酒イベントの楽しみ方じゃない

正直、今回は「レポートを書くために参加してみよう」くらいの軽い気持ちで応募しました。でも実際にやってみると、行列の理由も、蔵元さんの表情も、お客さんの高揚感も、飲み手だった頃には見えていなかった角度から見ることができました。

ただし、これは正直に書いておきたいのですが、丸一日のボランティアはガチの裏方作業で、イベント自体を楽しむ余裕はほぼありません。試飲もしっかり楽しみたいという方には、短時間ボランティアか、思い切って参加者として申し込むほうをおすすめします。

その上で改めて言いたいのは、地酒ストリートというイベント自体の熱気と出展蔵元の豊富さは間違いなく本物だということ。裏方の立場からでも伝わってくるくらい、会場全体が盛り上がっていました。日本酒好きなら、飲む側で参加した方が満足度の高い一日になるはずです。

来年、もし迷っている方がいたら——正直なところ、よほど「裏側をとことん見てみたい」というモチベーションがない限り、丸一日通しのボランティアはあまりおすすめしません。飲む側でじっくり試飲を楽しむか、裏側も覗いてみたいなら短時間シフトに留めておくのが、満足度高く地酒ストリートを楽しむコツだと思います🍶


お酒を呑み終えて

……と、締めたいところですが、今回は「呑み終えて」ですらありません。呑んでいないので。

丸一日、360種類のお酒に囲まれながら一滴も口にしなかった経験は、正直かなり不思議な感覚でした。渇いた喉で見送った行列の先には、きっとどれも美味しいお酒があったはずです。

それでも後悔はしていません。運営側に回ったからこそ見えた景色、聞こえた蔵元さんたちの会話、お客さんの弾んだ声——これはこれで、確実に管理人の「日本酒体験」の一部になりました。

ちなみに、この日いちばん美味しいお酒はどれかというと——会場にあった360種類のどれでもありません。ボランティアを終えたあと、居酒屋でとりあえず頼んだ一杯のビールでした。

いろんな酒を飲み歩いた末に本当に美味い酒を見つけた、それは必死で働いたあとの一杯だった——そんな歌詞をどこかで聞いた記憶が、この瞬間だけはやけにリアルに感じられました。日本酒イベントに参加してきたはずなのに、世界一美味いと思えたのが居酒屋で飲んだ一杯のビールだったなんて。それくらい真剣に働いていた自分に、自分でちょっと驚きました。

次に参加するときは、飲む側とボランティアと、どちらの立場で行くか。それすら選べるのが、このイベントの懐の深さなのかもしれません。

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